空虚感を感じる原因
努力が報われず、水の泡になった
人間が空虚感を感じる原因の中でも大きいのが、「努力が報われない」というものと思います。
たとえば、一所懸命に勉強をして、受験に臨んだとします。
人一倍がんばって勉強したという自負があり、きっと合格すると思って臨んだ受験だったのに、すべて不合格になったとしましょう。
そんな時、人は、これまで自分自身ががんばってきた受験勉強のことを振り返り、「あの努力は何だったのか」と、つくづく人生の空虚を感じるに違いありません。
仕事においても同様です。
営業マンががんばって飛び込み営業をして、汗水たらして努力しているのに、それが結果に結びつかなければ、空虚感を感じるものなのです。
そんな中でも、特に強い空虚感を抱く原因が、「努力が水の泡になる」ということと思います。
例をあげます。
秋の収穫シーズンに、大型の台風が来て川が氾濫し、畑や田んぼが水浸しになり、収穫目前だったコメや野菜が全滅するということがあります。
台風の風によって、収穫前の果実がダメになるということもあると思います。
こうしたことでは、これまで長い時間をかけて育ててきたものが一夜にしてダメになってしまうわけです。
努力が一瞬にして水の泡になってしまうこと、これが人が空虚感を感じる原因ということになると思います。
大事な人やものを失う
自分自身にとって大事なもの、かけがいのないものを失うというのも、人が虚しさを実感する原因と思います。
誰でも、生きていれば、大事なものを失うことがあるに違いありません。
わかりやすい例が、「失恋」です。
好きな人ができて、交際するというのは、人生の中でも大きな喜びの一つと言っていいと思います。
しかし、残念ながら、自分自身は相手のことを愛しているのに、相手が心変わりしたり、ほかに好きな人ができたりして、フラれてしまうということも人生にはあります。
それまで一番近くにいたはずの人が、突然自分自身の前からいなくなってしまった時、人は空虚感を抱くものなのです。
あるいは、ペットロス。
家族同然の存在だったかわいいペットがいなくなった時にも、人は大きな虚しさを感じるに違いありません。
ペット以外でも、「○○ロス」とう表現がよく使われますが、人は自分自身にとって大事なものや好きな対象を失った時、強い虚しさを感じるものなのです。
家族や友人を亡くした時などは、さらに強く深い空虚感を感じることと思います。
また、人や動物以外でも、たとえば、火災や災害などで大事な家を失ってしまった時も、むなしさを感じるものです。
誕生日などにひとりぼっちを実感する
自分自身がひとりぼっちであることを実感するというのも、空虚感を感じる原因の一つと思います。
ふつうの人は、ふだん忙しく仕事をしている時には、特に孤独を実感することはありません。
しかし、何も予定がない休みの日に、ひとりの部屋で一人で過ごしているときなどに、ふと「自分自身はひとりぼっちだ」と実感することがあります。
そんなときに、人生の虚しさを感じてしまうわけです。
ふつうの休みの日でもそうですが、特別な日などに一人でいると、より強く孤独感を抱き、それがより大きな空虚感につながると考えていいと思います。
たとえば、自分自身の誕生日やクリスマス。
そうした特別な意味を持っている日に、ひとりでいると、「ああ、家族や恋人がいたらなあ」と考えるに違いありません。
「家族がいれば、みんなで楽しくにぎやかなクリスマスを送れるのに」とか、「恋人がいればハッピーな誕生日になったのに」と考え、つくづく孤独をかみしめるわけです。
そして、ひとりぼっちの部屋で、むなしいため息をつくことと思います。
ふだんは感じない孤独を、何かの折に実感すること、これが、人が空虚感を感じる大きな原因なのです。
空虚感に襲われるときの解消法
とにかく運動してみる
空虚感に襲われることが増えると、何も行動したくない思いと何も考えられなくなります。
そんな時は、身体が動く限り運動することをオススメしたいのです。
運動によって脳を活性化させ、汗をかくことでストレスの発散にもなり、辛いことを一瞬でも忘れることが可能です。
空虚感の状態では「何故自分自身が生きているのか」や「自分自身の出来ることには限界がある」と考えても答えが出せないことが多いですよね。
そのような状況下では、一生懸命何かを考えても答えがでませんし、考えれば考えるほど悩みが増えて沼にハマってしまうのです。
難しいことを考えるよりも、いっそ全部忘れて体を動かす方が頭もリフレッシュ可能です。
運動を行うことで心と体の健康に繋がり、気持ちも前向きになれることがあります。
運動に関してはストレッチやランニングなど、誰でも可能な軽めの運動で十分です。
少しの時間でも身体を動かすことに意味があって、気晴らしにもってこいなのです。
なかなか空虚感に襲われれば気が向かないかもしれませんが、小さなことでも運動することで心にも変化が訪れる可能性もゼロではありません。
自分自身の居場所を確保する
空虚感は自分自身の居場所の有無によって生まれることがあります。
居場所というのは、居て落ち着く場所だったり、自分自身の長所や素が出せる居心地の良い場所を指します。
空虚感はうつ病の症状に似ていますし、どうしても一人で部屋に閉じこもる方や誰とも合わずに過ごす方が多い。
そんな方でも居心地が良い場所が一つあれば、その場所でリラックスすることが可能です。
リラックスしながら自分自身の趣味に没頭したり、好きなことを思いっきり行う場所の存在は非常に大事です。
他者との関わりが生まれることもあります。
自分自身自身を否定する環境があるから自己嫌悪に陥りやすく、何かに没頭することで気持ちを紛らわせることも可能です。
もし居場所の確保が難しいのであれば、本当にどこでも良くて、もちろん自分自身の部屋でも、行きつけのカフェや知り合いの家でも良いのです。
対人関係に疲れて空虚感に悩む方にも、一人にゆっくり可能な場所があると落ち着きますし、人にも会わずに済みます。
居心地の良い場所では自分自身自身を見つめ直す機会と、第三者や空虚感の原因となる事柄から逃避可能な手段なのです。
誰でも良いから相談する
家族や友人、カウンセラーなど、誰でも良いので相談することもオススメです。
空虚感が生まれる要因は多種多彩で、一筋縄では解決できないことが多く、完治には時間が掛かることも少なくありません。
誰かに相談できれば前向きになれるキッカケが生まれる可能性があり、相談によって気分が安らぐこともあるのです。
他者と会話を繰り返すことによって、当事者の気分転換にも繋がります。
相談から解決策を見つけ出せる可能性もあって、どんなに小さく他愛もない会話からも救いになるのです。
自分自身の意思表示をしないと空虚感の原因が分かりませんし、解決策を見つけるプロでも原因の追求に苦戦してしまいます。
もし、相談可能な環境が無い方でも、ペットでも道に生えている木でも、コンビニの店員さんなど何でも良いので他者に向かい言葉を発するべきです。
コミュニケーションを絶とうとする方が多く、「どうせ話しても無駄」と思いがちですよね。
しかし、きっと誰かが話を真摯に聞いてくれますし、悩みを一緒になって考えてくれる方は一人が存在するはず。
難しい問題ではありますが、誰かに相談することが対処法を見つけるキッカケになるのです。